『シリコンバレーのエンジニアが語る、誰にも悪気はなかった話』を読んだ
昨日、投稿され、SNS などで話題だった上の記事を読みました。
とにかく、長いです。
雑に GoogleDocs に貼り付けて文字カウントしてみたら6万字あり、「マジか…」と思いました。
最初、スマホでざーっと流し読みしましたが、それにも5分ぐらい掛かり、文章構造が把握できなくて、すっかり迷子になってしまいました。
2回めは15分ぐらい掛けて読み直し、やっと全体の構成が掴めてきました。
以下では、備忘録がてら、自分が読み解いたこの記事の概要、章の構成などを「私的記事解説」としてまとめます。
ひょっとしたら、誰かがこの記事を読むときに地図的な役を果たしてくれるかもしれません……(?)
私的記事解説
概要
教育についての記事、と冒頭部分にあります。
もう少し端的にいうと、『The Prize』というアメリカのベストセラー書籍の内容を、筆者が日本人向けに抜粋し、注釈を加えて紹介した内容が、本記事のメインパートです。
その後に、筆者自身の見解がおよそ二章に渡って述べられています。
『The Prize』の話の主人公はみなさんがよく知る Facebook 創業者のマーク・ザッカーバーグです。
が、この記事の中でザッカーバーグが表立って出てくることは少ないです。
ストーリーは、ザッカーバーグが多額の寄付を行ったニューアーク市での教育事業改革について進行します。
その改革の主なプレイヤーとなったのは、時のニューアーク市長コーリー・ブッカー氏や、最終的に学区長に選ばれたアンダーソン氏らです。
終盤の章で、筆者はこのニューアークでの改革の失敗を踏まえて、「地に足がついた取り組み」の大事さを述べています。
章構成
本記事は、記事の序文の最後にも示されているように、以下の章立てとなっています:
- 第一章:ヒーロー童貞
- 第二章:1億ドルのご褒美
- 第三章:10億ドルのご褒美
- 第四章:民主党と共和党
- 第五章:住民の集会と金持ちの集会
- 第六章:エイボン校
- 第七章:セントラル校
- 第八章:学区長
- 第九章:最終兵器
- 第十章:チャータースクールの光
- 第十一章:チャータースクールの闇
- 第十二章:四面楚歌
- 第十三章:反省会
- 第十四章:地に足がついている取り組み
- おわりに:議論の質を上げよう
14(+1)章ありますが、ざっくり分けると、下のような構成になると思います:
- 1章 … イントロ。福島の話は筆者のバックグラウンドを示しつつ、マーク・ザッカーバーグという「ヒーロー」を導出するための前フリと捉えてもよさそう。章の後半が、この記事の全体像の概説になっている。
- 2〜12章 … メインパート。上の概要で述べた通り、『The Prize』の内容で、ザッカーバーグが1億ドルの寄付を行ったニューアーク市教育事業のあらまし。最終的にそれは失敗に終わる。
- 13章 … おそらく前半は同書にも含まれる内容で、ニューアーク市の失敗を振り返る内容。境目が微妙だが、後半から筆者の主張も入って来る。
- 14章 + あとがき … 筆者の主張パート。
このような構成が理解できていると、初めて読むときも読み解きやすかろうと思います。
おわりに
てっきり普通の退職エントリなのかな、という先入観もあったので、「あれ、ザッカーバーグの話なのかな。でも、なんかザッカーバーグじゃない色んな人いっぱい出てくるし、色んな話が出てくるぞ……」というのが、最初に流し読みしたときの感覚でした。
ボリューミィな記事を読み解くのは、それなりに時間と労力を要するものですね。
しかし、かけた時間に見合った何かは得られたような気がします。
2章からのメインパートは読み物としてもなかなか読み応えのあるものでした。
特に、教育問題に関心がある人にとっては、興味深い内容だろうと思いした。
この記事が、誰かの何かになれば幸いです。