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時間つぶしに読んだ『教科書には載らない日本史』の本が意外とヒットだった

日本史の本なんか滅多に読まないのだが、とあるイベントで待ち時間が数時間あって、本を持ってきてなかったので、近くのコンビニで探した。
そこで、唯一興味を持ったのがこの本だった。

最初は、まあ、何かしら得るものはあるだろう、ぐらいの軽い気持ちだった。

が、読み進める内に、「これは意外と『アタリ』かもしれない」と思った。
以下、前書きより一部引用:

いま行われている日本の歴史教育には、いろいろな問題点がある。
例えば、古代史の中では、日本史の教科書がほとんど神話というものに触れていない。
昭和20年の敗戦以前は、神話こそが日本の歴史の中核であるということで、小学校、中学校では真っ先に教えられていた。

確かに、神話と日本史を絡めた話など、日本史の授業で聞いたことがないか、すごくさらっとした扱いだったように思う。

日本に限らず、神話は国の成立に密接に関わっていると思う。
それは国家が誕生した後に、為政者が自身が国を統治することを正当化するため、でっち上げるものかもしれない。

日本の神話は朝廷・天皇が国を治めることを正当化するものだろう。
この辺りの話も同書の中で触れられている。

大戦を起こしたという反省から歴史教育を改めたのだろうが、著者が言うように「神話はきわめて重要な歴史資料」であり「日本民族文化遺産」であるとしたら、それを忌避するのは誤っているように感じる。

著者がこの本の中でたびたび述べているように、「歴史的事実を隠蔽」するような行いは、歴史を学ぶ者が取るべき行為ではないのではないかと思う。

ちょうど自然科学が、実験や公理によって証明された事実に基いて行われるように。

この本では、古代から第二次世界大戦後まで、33のトピックについて取り上げている。
全体を通して見ると、トピックそのものはそう目新しいというわけではない。
「ああ、あの話ね」と思うようなものも多い。

…が、通して読むことで、当時の公家、武家といったプレイヤーの立場や通念といった背景がわかるようになっており、「なぜそれが起こったのか」に踏み込んでいて、面白い。
個々のトピックはそれなりに独立性もあるが、一通り読んでみた感想としては、点と点がつながって、線になったように感じた。

多少、日本史観が変わったように思う。

ご興味あれば、ご一読あれ。